この気持ちは誰にも止められねーよ。
どんどん加速していくのだから……
『今更友達にはもどれない』〜僕らの路〜
「なぁ」
俺は小さく名前を呼んだ。
それに合わせて、何だよという、少しため息交じりの声が応える。
振り返る事のない背中を真っ直ぐ見据えて、
もう2度とは言わないだろう言葉を風に乗せてみた。
「俺、お前の事相当好きらしい」
手を伸ばせば届きそうな背中が笑った。
「何を今更」
素っ気無いその言葉からは、
普段イラついてばかりの人間からは想像がつかない、
大分の不思議と多少の照れと……少しの嬉しさが伝わった。
―――それが答えだ。
俺の気持ちに、充分応えうる答え。
風に乗せた溢れる想いは、綺麗にお前の手元に届く。
―――伸ばして掴み取れ。
自分の幸せぐらい、自分で。
そうしてようやく、本当にひとつになれる時がくる。
今更元には戻れない。
―――だって気付いてしまったから。
今更元には戻れない。
―――俺の気持ちと、お前の気持ちに。
今更元には戻れない。
―――想いが綺麗に重なり合って。
今更元には戻れない。
―――もう、戻る気なんか更々ない。
もう元には戻らない。
今更、友達になんて戻れない。
今、2つの路は確かに交わる―――
―――――――
あ、れ?
今更だけど切なくねーじゃん!笑
……ま、いっか!(出た、お決まりの台詞)